トップページに戻る

第1回先端的データベースとWeb技術動向講演会(ACM SIGMOD 日本支部第38回支部大会

ICDE2008 国際会議報告 および Web2.0的集合知利用のアプローチ

日時:2008年6月17日(火) 10:20~16:15
開催場所東京工業大学 大岡山キャンパス(東京都目黒区大岡山2-12-1) 西8E号棟10階大会議室
主催:ACM SIGMOD 日本支部(支部長:横田治夫 (東京工業大学)),日本データベース学会(会長:増永良文 (青山学院大学))
支部長:横田 治夫

プログラム

10:00  受付開始

10:20-10:30  支部長挨拶
         横田 治夫(東京工業大学)

10:30-12:00
     「ICDE2008 国際会議報告 (1)」
         合田 和生 (東京大学生産技術研究所)

	 メキシコ・カンクンにおいて4月に開催された国際会議ICDE2008を
	 報告します。

	 講演の前半では、会議全体の概要、Luis von Ahn (Carnegie Mellon
	 University)、Martin L. Kersten (CWI)ならびに Hector
	 Garcia-Molina (Stanford University)による3件のキーノートスピー
	 チ、更に以下のbest research paper, best student paper をご紹
	 介いたします。

	 - COLR-Tree: Communication Efficient Spatio-Temporal Index
	 for a Sensor Data Web Portal. Yanif Ahmad (Brown University),
	 Suman Nath (Microsoft Research)

	 - CARE: Finding Local Linear Correlations in High Dimensional
	 Data. Xiang Zhang (University of North Carolina at Chapel
	 Hill, USA), Feng Pan, Wei Wang (University of North Carolina
	 at Chapel Hill, USA) 

12:00-13:00 昼食休憩 60分

13:00-14:30
     「ICDE2008 国際会議報告 (2)」
         合田 和生 (東京大学生産技術研究所)

	 講演の後半では、best industrial paperである

	 - Accurate and Efficient Inter-Transaction Dependency
	 Tracking. Tzi-cker Chiueh (Symantec Research Labs)

	 をはじめ、Research Session、Industrial Sessionから興味深い発
	 表をご報告いたします。また、ICDE2008の関連ワークショップのう
	 ち、SMDBならびにIIMASに関しても時間の許す限り紹介したいと思い
	 ます。

14:30-14:45 休憩15分

14:45-16:15
      「Web 2.0 的な集合知を利用した研究アプローチとそのための HCI」

       ・PodCastle: 不特定多数のユーザの協力を得て音声認識技術
		   を発展させていく研究アプローチ「音声認識研究2.0」
             後藤 真孝 (産業技術総合研究所)

	自動メディア認識技術によって実世界情報を構造化してデータベースを
	構築し、閲覧、検索、分類等のサービスを提供する重要性が増しつつあ
	る。そうしたデータベース構築において問題となるのは、認識性能が
	100%のメディア認識技術はなく、必ずどこかで「誤認識」が起きてしま
	うということである。そこで我々は、ユーザの協力を得て誤認識に対処
	し、メディア認識技術を発展させていく新たな研究アプローチを提案し
	た。そこでは、Web 2.0 に基づく「ユーザの貢献を取り込む仕組み」と、
	Web 2.0 を越えた「ユーザの貢献を増幅する仕組み」によって、従来の
	研究アプローチとは大きく異なる数々の利点が得られる。本招待講演で
	は、こうした考え方を音声認識に適用した新たな研究アプローチ「音声
	認識研究2.0」を紹介し、具体的事例として、ユーザの協力で性能が向
	上する音声情報検索サイト「PodCastle」(http://podcastle.jp)につい
	て述べる。


        ・PodCastle: Web 2.0を通じて得られる知識やデータを
		   活用した新しい音声認識手法
              緒方 淳 (産業技術総合研究所)

	ポッドキャストに代表される実環境の音声データは、内容や収録環境
	が多種多様であり、現状の音声認識技術では多くの誤認識箇所が発生
	する。こうした問題に対する典型的アプローチは、認識対象の音声デー
	タを大量に収録してコーパスを作成し、学習・適応する方法である。
	しかし、このアプローチでポッドキャストを高精度に認識しようとす
	ると、実質上あらゆる音声に対するコーパスを整備する必要があり、
	コストや労力の観点からも現実的でない。それに対し、本研究では、
	Web 2.0 を通じて得られる知識やデータを積極的に利用することで、
	音声認識性能の改善を図る。本アプローチは、「音声認識システム自
	体が日々成長する」、「不特定多数のユーザに音声認識を育ててもら
	う」という2つの重要な考えに基づいた新たな音声認識手法となって
	いる。本招待講演では、こうした実環境音声データを認識するための
	手法を紹介するとともに、PodCastle音声認識システムの現状につい
	て述べる。


16:15 講演会終了

16:30-17:30
     日本データベース学会総会

     1) 2007年度事業報告および決算について
     2) 監査報告
     3) 2008年度事業計画および予算について
     4) 2007年度日本データベース学会論文賞の発表と表彰
     5) 2008年度役員改選について
     6) その他

18:00-20:00
	     日本データベース学会評議会(会場移動)