ACM SIGMOD日本支部 講演会(チュートリアル) |
「情報収集システムの発展において米国連邦政府が果たしてきた役割、および連邦政府の今後の技術戦略」 |
講演者:Dr. Tomoe Kiyosada (Senior Policy Analyst, SRI International) |
日時:2006年08月18日(金) 17:00 - 18:00 |
開催場所:東京大学生産技術研究所 An棟 4F 中セミナー室(An401,402) |
主催:日本データベース学会・ACM SIGMOD日本支部 共催 |
支部長:北川 博之 |
Abstract |
今日までの情報収集システムの発展の歴史を振り返ると、米国の連邦政府が陽 に陰に果たしてきた役割は小さくはない。SovietのSputnik 打ち上げにショック を受けた米国では、当時のPresident Eisenhowerが「最先端のR&Dにおいて米国 は常に世界をリードする」という強い意思を持ってDARPA(当時ARPA)を設立 し、戦略的に世界中からBest & Brightest を集めてチャレンジングなR&Dを進め てきた。そこから今日のコンピュータサイエンスという新たな学問領域が生ま れ、またインターネットも生まれた。 80年代のSDI (Strategic Defense Initiative) はコンピュータシステムの大規 模化を加速し、さらに90年代のInformation Superhighway Initiativeを経て世 界中にネットワークが張り巡らされるようになった。その結果、世界中のネット ワーク上を流れる情報をコントロールすることで、ナショナルセキュリティ、経 済、エネルギー需給などのあらゆる面において米国の競争優位を確保するという 新たなインテリジェンス活動の可能性が拓けた。 しかし、現在、これまでの情報通信システムの発展による弊害も顕著になりつつ ある。システムの大規模化&複雑化はサイバーセキュリティに対する脆弱性を増 し、さらに情報システムおよび情報サービスが市民生活の隅々に浸透するにつ れ、システム障害が一般市民に与えるダメージも格段にアップした。またネット ワーク技術およびストレージ技術の発展により情報が溢れ、欲しいときに欲しい 人へ欲しい形で情報を提供することが非常に困難になっている。 技術の進歩は止めることはできないため、これらの問題の解決もやはり技術に頼 らざるを得ない。今回のプレゼンではこれらの問題解決へ向けて、またさらなる 米国の競争優位を保証するため、連邦政府はどのような技術に注目し(たとえば 大規模かつ複雑な情報システムをマネージするには、不測の事態にも自ら対処で きる cognitive architectureが必要であり、大量の情報から欲しい情報を欲し い形で抽出するには、従来のAIやlingusiticsの手法に加え、システムが抽出し た情報のvalidationを以下に行うかが鍵となる、etc.)、またどのような戦略で そのR&Dを進めているのかについて紹介する。 |
参加条件:どなたでもご参加頂けます.参加費は無料です. |